これも悩ましいところです。取り扱いやすさを考えれば間違いなくソフトケースに軍配が上がります。当然ながら本体が軽ければ、中身をたくさん入れることができますので、その意味でも重宝します。
私も以前は40Lぐらいの容量のソフトケースを、通常のスーツケースとともに家族旅行で併用していた時期があります。確かに軽くて便利でした。ところが今は、「だからソフトケースが良い」とは思っていません。その理由は単純です。
要するにソフトケースは強度の点で不安があるということです。店頭に並んでいるソフトケースは、当然ながら何も入っていませんが、きちんとした形になっていて、いかにも丈夫に見えます。
しかしどういった材質を使って、その形が維持されているかということは、良く調べないと分かりません。
もしメーカーが堅牢に作ろうと思えば、見かけはソフトケースでも内部には金属の補強が入りますから結果的に重くなります。しかしそれではソフトケースの利点がなくなりますので、強化プラスチックみたいなものを使っているものもあります。実は私が使っていたものがそれでした。
ところが、普段国内旅行ぐらいで気軽に使っている分には問題ないように見えるソフトケースですが、海外旅行の飛行機に預ける荷物として扱うと、途端に負荷が大きくなります。
日本の空港なら、ソフトケースがあったら、それはたぶんコンテナの中に積み上げるとき、ハードケースの上の方に乗せる配慮があるかもしれません。しかし日本以外の空港では、そんなことに気を使うより、ともかくどんどん放り投げて適当に積み上げていくという方法が現実に行われているように思われます。
実際私が使っていたソフトケースは、最初はきちんとした形をしていたのに、いつの間にか外枠の形が崩れて、ただの袋みたいな状態になってしまいました。
どうしたことだろうと、ちょっと一部を切って調べてみると、内部はプラスチックで補強されていたものの、そのプラスチックが粉々になっていました。たぶん上から重いものをのせられたのだと思います。
それ以外でも、ターンテーブルに乗せるときも、結構放り投げるように乗せるのが当たり前みたいなので、そういった場所で破損する可能性も大きいです。
その場で気が付けば保障されることもあるようですが、いつどこでそうなったかをきちんと証明することは難しく、「まあしょうがないか」と泣き寝入りになることも多いはずです。
というわけで、1回だけの旅行ならともかく、その後も旅行を続けようと考えているならば、基本的にはハードのスーツケースを選択したほうが、長く使えると思います。当然コストパフォーマンスも良くなります。
そこで、この先はハードのスーツケースを選択したとして話を進めます。